ギリシャ神話のプシュケとは?

ギリシャ神話のプシュケとエロース(クピド、アモール)の神話

プシュケとは次のとおりです。

  • 人間
  • ある国の王女で、絶世の美女
  • 国内では、愛の神アフロディテよりも人気があった

エロースとは次のとおりです。

  • 愛の神
  • ギリシャ神話ではエロース、ローマ神話ではクピド、アモールと言われる
  • 軍神アレスと愛の神アフロディテの子ども
  • 射られたものを恋に陥らせる「黄金の矢」を持っている

今回紹介するギリシャ神話、プシュケとエロース(クピド、アモール)は、人間と神の許されぬ愛の物語です。

その美貌で、愛の神アフロディテよりも大切にされていたプシュケに嫉妬したアフロディテは、彼女から「愛される能力」を奪って結婚できなくし、さらに息子であるエロースに、黄金の矢を使って、プシュケが誰かろくでもない男とくっつけるように命じます。エロースはそれに従い、プシュケを狙いますが、プシュケのあまりの美しさに手元を狂わせ、自分を黄金の矢で傷つけて彼女に恋してしまいます。

プシュケが結婚できないことを心配した両親は、神託をききにいきます。そこで「山頂に娘をおいていきなさい。そこで娘は神をも恐れる夫と出会うだろう」という神託を受けます。神のお告げは絶対なので、泣く泣くプシュケに花嫁衣装を着せ、山に置いてきます。山に1人置かれたプシュケは、声に導かれ、美しい宮殿にたどり着きます。

その宮殿では、身の回りのことはすべて目に見えない召使いがしてくれ、何不自由ない暮らしができました。夜になると、暗闇に紛れて「夫」がやってきて、共に過ごします。「夫」は決死で自分の姿を見てはいけないとプシュケに約束させます。不思議な結婚生活でしたが、プシュケは夫の愛情を感じ、幸せに暮らしました。

やがてプシュケは、両親や姉ら家族に自分の無事と幸せに暮らしていることを伝えたいと考えるようになります。そこで姉二人を宮殿に招くことにしました。素晴らしい暮らしをしている妹に姉は嫉妬し、「夫が姿を隠しているのは恐ろしい怪物だからじゃないのか、いつか襲われるかもしれないから、こっそり姿を見ておしまい」と約束を破るようそそのかします。姉のこの言葉に、プシュケは夫に対して疑いの気持ちが湧き、ある夜隣で寝ている夫をランプの明かりをつけて見てしまいます。そこにいたのは、怪物ではなく、翼を持った美しい愛の神エロースでした。姿を見られたことを知ったエロースは、彼女に疑われたことにショップを受け、姿を消してしまします。

ギリシャ神話のアフロディテからプシュケへの4つの試練

消えたエロースを探し続けるプシュケに、愛の神アフロディテ4つの試練を与えます。いずれも成し遂げることは困難な課題ばかりでしたが、それぞれ彼女を助ける存在が現れ、クリアしていきます。

4つの試練とは、次のとおりです。

試練1:雑多な穀物の山を選り分ける 助けたもの アリ
神殿の穀物の蔵に積まれた小麦、大麦、豆を1日で選別する。
呆然とするプシュケのそばでアリが選別し、日没の1時間前に完了。
試練2:凶暴な雄羊から黄金の毛を刈る 助けたもの 河の神
川向こうの野原にいる野生の黄金羊の毛を集める
河の神が、「朝の羊は気が荒いので河の精が子守唄で羊を眠らせている日中、木々についている毛を集めたらいい」とアドバイス。
試練3:生命の泉から水を汲む 助けたもの ゼウスの大鷲
恐ろしい竜が棲む断崖絶壁の山頂にある生命の泉から水を汲む
プシュケが持っていた水差しを大鷲が奪い、そこに生命の泉の水をくんで戻ってくる。
試練4:冥府の女王ペルセポネから「美の箱」をもらう 助けたもの エロース
「美の箱」はなんとか手に入れるが、プシュケは次にエロースに会う時に美しい姿を見せたいという気持ちから、箱を開けてしまう。箱の中に入っていた眠りの魔法で彼女は目覚めない眠りに入ってしまう。エロースが、彼女の変わらぬ深い愛を知り、眠りの魔法を解く。

プシュケの眠りを解いたエロースは、全能神ゼウスに2人の結婚を正式に認めてほしいとお願いします。2人の深い愛に感心したゼウスは、結婚を許し、霊食「アンブロシア」を与えます。

霊食「アンブロシア」とは、飲み物である「ネクタール」とともに、神々の食卓に並ぶ食べ物で、食すと不死になるとされています。

こうしてプシュケは神々の仲間に加えられ、オリュンポスで結婚することができたのでした。

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