ギリシャ神話最強の神。順当なのは、全知全能の神ゼウス
ギリシャ神話最強の神は誰か?については一言では非常に難しいです。というのも、ギリシャ神話に登場する神々は、さまざまな得意分野を持っていて、ずば抜けて他の神に比べて強いという存在はいないのです。
そんな中、あえて選ぶとなると、オリュンポスの神々の中で、全知全能の神ゼウス、海の神ポセイドン、冥界の王ハデスが有力候補です。
実力については、海を支配し、大陸を支えるポセイドンはゼウスに匹敵する力を持っているとされますが、知略の神アテナとアテナイの守護者の座をかけた戦いでは破れています(戦いと言っても戦争ではなく、街の人により役立つ贈り物をする、というお題での対決でしたが)。
ハデスについては、ほとんど冥界から出てこないため、戦いの実力はわかりません。ハデスの持ち物は被ったものの姿を見えなくする「アイドス・キュネエ(隠れ兜)」だと言われているので、相手を直接攻撃するタイプのものではありません。
やはり神々の王としての肩書と一撃で世界を溶けさせることができる「雷霆(ケラウノス)」を所持していることから、ゼウスは最強の神と言えそうです。
戦闘力で、ギリシャ神話最強の神は?
強さといえばやはり戦闘力の高さがイメージしやすいと思われます。
戦いの神は2人いて、軍神アレスと知略の神アテネです。この二人は仲が悪く、よく衝突します。同じ戦いの神でも、アレスは血なまぐさい戦いの神で、アテナは知略でもって戦う神です(ポセイドンとの戦いも知恵を使っての勝利でした)。同じ神でも戦うタイプが全く違います。
また、アレスは神話の中でよく負けたエピソードが出てきます。負けた相手は半神の英雄ヘラクレス、人間の英雄ディオメデス、戦いにはほとんど登場しない鍛冶の神ヘパイストスにも負け(というか、アフロディテとの浮気現場で身動きが取れなくされ、皆の前で恥をかかされた)ています。
アテナには、何者も通さないアイギスの盾やゼウスの雷霆を借りることもできるので、戦闘力の上では、アテナのほうに軍配が上がるかもしれません。
ギリシャ神話最強の神、番外編
ここまで紹介した神以外にも、最強といえる神々がいます。
それは、
- 獄神タルタロス
- 運命の女神モイライ
です。
獄神タルタロスは、原初の神々の1柱であり、「奈落」そのものとも言われています。
「奈落」は冥界よりも更に下に位置します。タルタロスには、ヘカトンケイルやキュクロープスといった巨人族やティタノマキア後にティターン一族を幽閉、最強最大の怪物テュポーン(テュポーンはタルタロスのこどもであるという説もあります)が落とされるなど、強大な力を持った巨人や怪物、神々ですらその力を封じ込められてしまう力があるのです。場所が限定されますが、無敵の存在です。
運命の女神モイライは複数形で、運命の三女神クロートー、ラケシス、アトロポスのことです。この女神たちはもともと人間の運命を割り当て、紡ぎ、断ち切る女神ですが、ギガントマキアやテュポーンとの戦いにも参戦しています。
とくにテュポーンとの戦いでは、テュポーンに脅され、どんな望みも叶う「勝利の果実」を渡しますが、これは実は嘘で、実際は決しての望みが叶うことがない「無常の果実」を渡しており、これを食べた瞬間、テュポーンは力を失ってしまったのです。
テュポーンといえば、一時ゼウスを倒して幽閉したほどの怪物です。その怪物の力を奪ってしまうアイテムを持っているモイライはある意味ゼウスを超えるとも言えます。