ギリシャ神話 セレネとエンデュミオンとは
今回は月の女神セレネと人間の青年エンデュミオンとの恋の神話を紹介したいと思います。
ギリシャ神話のセレネとは?
ギリシャ神話のセレネについては次のとおりです。
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先にも書いたとおり、セレネは次第にアルテミスと同一視されていきます。しかし、月の女神セレネは夜の間の世界を静かに見守る女神、かたやアルテミスは狩猟の女神でもあり、活発でボーイッシュなイメージの女神です。光明神である兄アポロンが太陽神ヘリオスに同一視されるのに合わせて、きょうだいであるアルテミスにセレネが同一視されていったようです。
月の女神セレネとアルテミスの違いについては次のとおりです。
セレネ | アルテミス |
月の女神 | 純潔の女神、狩猟の女神、出産の女神 |
3きょうだいの中間子 | 双子 |
もちものは特になし | もちもの、銀の矢 |
2頭の馬(牛)がひく車 | 銀の馬車 |
このようにもともと全く違う女神だったのです。
しかし、セレネがアルテミスに同一視されるようになると、今回紹介するエンデュミオンの神話もセレネが相手ではなく、アルテミスが相手であったと伝わる神話もあるようです。
ギリシャ神話のセレネとエンデュミオン、夢の中の恋で子ども50人!?
そんな月の女神セレネがあるとき夜空のパトロールをしていると、山頂で眠る羊飼いの青年に目を奪われ、恋に落ちます。
彼がエンデュミオンです。
エンデュミオンについては次のとおりです。
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バラや競走馬は、エンデュミオンが絶世の美少年であったこと、またその美しさが女神の愛を勝ち取るほどであったことにあやかってその名をつけられたのかもしれません。
それからセレネは毎晩エンデュミオンの夢の中に現れ、お互い愛し合うようになります。
しかし月日が流れるにつれ、神とひととの恋に逃れがたい問題が浮上してきます。セレネは女神なので、年を取らずずっと変わらぬ姿ですが、エンデュミオンはだんだん年をとっていきます。その事実に耐えられないセレネは全能神ゼウスに、エンデュミオンを年を取らない体にしてほしいと嘆願します。ゼウスはその願いを受け入れ、エンデュミオンを永遠に変わることない美しい姿でいられるようにしてやりました。ただし、ゼウスはひとつの条件をつけました。それは、年を取らない代わりに、永遠に眠り続ける、というものでした。厳しい条件のように思いますが、セレネとエンデュミオンはそれを受け入れました。こうして二人は永遠に夢の中で会い続けることができ、二人の間には50人の娘が生まれたとされています。
目覚めて言葉を交わしたり、ともに過ごすことはできなくても、二人は非常に幸せな時間を夢の中で過ごしていたのでしょうね。