ギリシャ神話の蛇に関連する神、怪物など
ギリシャ神話には、蛇の神、体の一部が蛇の怪物、蛇そのものとさまざまな形で蛇が登場します。
有名なところでは、目があったものを石に変える髪が蛇のメデューサ(ゴルゴン三姉妹)、下半身が蛇の女神エキドナ、ヘラクレスに倒されたヒュドラ、生まれて間もないアポロンに倒されたピュートーンなどあります。
今回はこれまで紹介出来ていなかった蛇の神オピオン、上半身が女性下半身が蛇の怪物デルピュネ、ヘラに下半身を蛇に変えられたラミアー、について紹介します。
ギリシャ神話の蛇に関連する神-オピオン
名前に「オピス(蛇)」を含むため、蛇の神と考えられています。妻はエウリュノメーで、もともとエウリュノメーが原初の神で、オピオンはエウリュノメーから発生し、後に結ばれます。「宇宙卵」をエウリュノメーがうみ、その卵にオピオンが巻き付いて温めて孵し、世界が生まれたとも言われています。
しかし、その後卵を孵した自分こそが世界の創造主だと主張し、エウリュノメーとぶつかり、怒ったエウリュノメーはオピオンの牙を蹴り折って、オピオンを地下深く追放したと言われています。
ギリシャ神話の蛇に関連する怪物1その1-デルピュネ
デルピュネは上半身は人間の女性、下半身が蛇の怪物です。もともとはデルポイの神託所で神託を授けていました。しかし光明神アポロンに神託所を奪われたことでオリュンポスの神々を恨み、テュポーンがオリュンポスの神々を争ったときにテュポーン側につきます。テュポーンがゼウスの手足の腱を奪い、熊の毛皮にくるんで洞窟に隠した際に、デルピュネが腱の番をしていました。しかし、泥棒の神でもあるヘルメスと牧神パーンがこっそりと忍び込み、ゼウスの腱を奪い形勢は逆転してしまうのです。
ギリシャ神話の蛇に関連する怪物 その2-ラミアー
ラミアーは上半身が女性、下半身が蛇の怪物です。元はリビアの王女でかなりの美貌の持ち主だったためにゼウスに見初められましたが、そのことがゼウスの妻、神々の女王ヘラの怒りを買い、ゼウスとの間に生まれた子どもの命を奪われ、さらに下半身が蛇という姿に変えられてしまいます。それからというもの、ラミアーは子どもや男性を攫っては生きたまま貪り食うようになりました。
さらにヘラは、子どもを失った悲しみから逃れられないように、眠りの神ヒュプノスに命じてラミアーが眠れないようにしました。これにはゼウスもラミアーが哀れに思って、両目を取り外すことができるようにしてやりました。両目を外している間は、穏やかな母の表情に戻ると言います。
昔からギリシャでは子どもをさらうラミアーの神話になぞらえて、「悪いことをしていたら、ラミアーが攫いに来るよ!」と言うそうです。