ギリシャ神話のレダとは?

スパルタ王妃レダと白鳥

今回は恋する相手に近づくためなら何にでも姿を変えて想いを遂げる全能神ゼウスとその相手、レダのお話です。

ゼウスの恋した相手、レダはスパルタ王テュンダレオスの妻ですでに結婚している女性でした。しかし決して諦めることをしないゼウスは、妻のヘラにもバレず、かつレダにも警戒されずに近づくために、今回は白鳥に姿を変えました。そして、愛の神アフロディテに命じて、鷲に白鳥に化けた自分を追わせました。

エウローダース川のほとりにいたレダのもとに、ゼウスが鷲に追われた可愛そうな白鳥を演じて逃げ込むと、そうとは知らずにレダは白鳥をかくまいます。そしてその時、ゼウスとの子どもを妊娠します。

しかし、これにはまた別の説もあります。

ゼウスの恋の相手が、運命の3女神の姉妹である正義と秩序の女神ネメシスだったという説です。ネメシスはゼウスから逃れるために、ガチョウに変身して逃げました。それをゼウスが白鳥に変身して追いかけ、ネメシスに卵を産ませます。ちょうどその時、妊娠していたレダに、卵は預けられ、卵から生まれた子どもとレダの子どもは一緒に育てられたというものです。この場合は、ゼウスとレダには関係はなく、養母ということになるのかもしれません。

レダと2組の双子たち

今回はレダと白鳥に化けたゼウスが出会った方の神話で話を進めます。

レダがゼウスの子を妊娠したとき、夫であるテュンダレオスの子どももお腹にいたため、レダが出産したのは、で、しかも2つ産みました。

それぞれの卵に、ゼウスの子である双子と、テュンダレオスの子である双子が入っていました。

子どもたちについては、次のとおりです。

《ゼウスの子》
ポリュデウケス ゼウスの血を強く継いでおり、不死身。アルゴー号の乗組員。
ヘレネ トロイア戦争の引き金となるほどの美貌の持ち主。幼い頃から求婚者が後をたたない。
《テュンダレオスの子》
カストル テュンダレオスの子どもなので、限りある命。アルゴー号の乗組員。
クリュタムネストラ トロイア戦争で活躍したアガメムノンの妻。夫の策略で娘を生贄にされてしまい、夫に復讐する。

父親が違いますが、2人の息子たち、ポリュデウケスカストルは、ともに冒険に出かけるなど、とても仲の良い兄弟でした。しかし、父親が違うために命の長さが違ったので、ある時ふたりに別れの時が来ます。この物語はふたご座の神話で紹介しています。

2人の娘たちのうち、ヘレネは運命に翻弄され続け、クリュタムネストラは運命にあらがい、恐ろしい行動に出ます。こちらは、トロイア戦争についての記事でまた詳しく紹介したいと思います。

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