ギリシャ神話に登場する巨人とは?
ギリシャ神話に登場する巨人は
- ティターン神族(巨神族)→ティターン12神、アトラスがここに含まれます
- ヘカトンケイル(百腕巨人)
- キュクロープス(単眼巨人)
- ギガンテス(巨人族)
- ポセイドンの子どもたち
がいます。
ティターン神族、ヘカトンケイル、キュクロープス、ギガンテスは、大地の女神ガイアから生み出された巨人(巨神)たちです。
ヘカトンケイルとキュクロープスは醜さを理由に父であるウラノスに遠ざけられ、それに怒ったガイアが自分の子どもであるティターン神族の12神にウラノス討伐を頼み、クロノスがそれにこたえます。
ギガンテスは、そのウラノスが討たれたときに大地に滴り落ちた血から、ガイアが身ごもり生まれた巨人たちです。
ポセイドンの子どもたちの一部は巨人です。ポセイドンの子どもは、なぜかペガサスやクリュサオルといったいわゆる人型ではなかったり、巨人であったりする場合が多いです。
ギリシャ神話に登場する巨人 その1:ガイアの系統
・ティターン神族
オーケアノス(海の神)
コイオス(何の神なのか不明)
クレイオス(何の神なのか不明)
ヒュペリーオーン(太陽神)
イーアペトス(何の神なのか不明。アトラスの父)
テイアー(何の神なのか不明)
レアー(大地の女神、ゼウスらの母)
テミス(法・掟の神)
ムネーモシュネー(記憶の神)
ポイベー(光明神)
テーテュース(何の神なのか不明)
クロノス(農耕の神)
・ヘカトンケイル(百腕巨人)
50の頭に100の手がある巨人です。コットス、ブリアレオース(別名アイガイオーン)、ギューゲース(またはギューエース)の三兄弟です。
ティタノマキアの際には、ゼウスにタルタロスから解放され、味方となり、100の手で一度に300もの大岩を投げつけてティターン軍を苦しめました。
・キュクロープス(単眼巨人)
1つ目の巨人。アルゲース(英語版) 、ステロペース(英語版)、ブロンテース(英語版)の3兄弟です。鍛冶の技術が高く、ティタノマキアでゼウスにタルタロスから解放された際には、ゼウス、ポセイドン、ハデスにそれぞれ雷霆、三叉の銛(トリアイナ)、隠れ兜(アイドス・キュネエ)を贈りました。
・ギガンテス(巨人族)
ウラノスの血と大地ガイアから生まれた巨人。この巨人とゼウス率いるオリュンポスの神々との戦いが「ギガントマキア」です。この戦いには「人間の力を借りないと勝てない」という予言があり、ギガンテスは神々には殺すこと出来ず、ゼウスと人間の子どもであるヘラクレスが参戦したことでオリュンポス軍の勝利となりました。ギガントマキアでの名のあるギガンテスの戦いについては次のとおりです。
アルキュオネウス
パレネの地に触れている限り不死である能力があり、オリュンポス軍を苦しめた。最終的にヘラクレスがパレネの力引き剥がして倒した。
ポルピュリオン
貞節・結婚の神ヘラの美しさに襲いかかったところをゼウスの雷霆に打たれて倒される。
エピアルテス
光の神アポロンに左目を、ヘラクレスに右目を射抜かれて倒される。
エウリュトス
豊穣・酒の神デュオニュソスと戦い、霊杖テュルソスで殴り倒され、ヘラクレスに射られる。
クリュティオス
冥府の神のひとり、ヘカテーの冥府の業火に焼かれ、ヘラクレスに射られる。
ミマス
鍛冶の神ヘパイストスに溶鋼とヴェスヴィオス火山を叩きつけられる。
エンケラドス
知略の神アテナにシチリア島に打ち付けられ、その下に封印される。
パラス
アテネと戦い、敗北。全身の革を剥がれ、アテナはそれを自分の武具に貼り付けた。
ポリュボテス
海の神ポセイドンにコス島の岩山を投げつけられ、封印される。その山が後にニーシューロスとなる。島の火山の活動は巨人がうめいているのだと言われている。
ヒッポリュトス
冥府の王ハデスの隠れ兜アイドス・キュネエをかぶった商業・情報の神ヘルメスに不意打ちされ、ヘラクレスに射られる。
グラティオン
月の神アルテミスとヘラクレスに射られる。
アグリオス
運命の女神モイライに青銅の混紡で殴り倒されたあと、ヘラクレスに射られる。
トオン
運命の女神モイライに青銅の混紡で殴り倒されたあと、ヘラクレスに射られる。
ギリシャ神話に登場する巨人 その2:ポセイドンの系統
ポセイドンの子どもは、馬であったり怪物であったり、半魚であったり、巨人であったり、バラエティ豊かです。今回は巨人の子どもたちを紹介します。
・オリオン
狩りの名人で、月の女神アルテミスの恋人でもあった。しかしそのことがアルテミスの兄であるアポロンの心配を買い、アポロンの策略にはまってしまう。アポロンは、オリオンのもとにサソリを送り込む。それに驚いたオリオンは海に逃げるが、巨人なので、頭だけが水面から出ている状態になった。アポロンはアルテミスを挑発して、「弓の腕前に自信があるなら、あの海の遠くで光っているものを射抜いてみろ」といい、アルテミスはそれを射抜くが、それはオリオンの頭で、オリオンは死んでしまう。後で真相がわかったアルテミスが悲しみ、父であるゼウスが彼を星座にし、いつでも夜空に会いに行けるようにした。それがオリオン座である。
・アルビオン
ポセイドンと正妻アンピトリテの子どもで、アルビオン島に住んでいた。
・アローアダイ(双子。オートスとエピアルテース)
ポセイドンとイーピメディアの間に生まれた巨人。9歳の時点で身長が16~17mほどまで成長した。自分たちがオリュンポスの神々よりも強いのではないかと思い、神々に戦いを挑んだ。軍神アレスはアローアダイに捉えられて13ヶ月間監禁された。アローアダイは、最期、光の神アポロンに討たれた。