ギリシャ神話のヘパイストスとアテナの関係とは?

ヘパイストスとアテナはどんな神様?

ヘパイストスについては次のとおりです。

  • 鍛冶と技巧の神。
  • 容貌は醜く、足に障害があり、うまく歩けなかった。
  • 父は全知全能の神ゼウス、母は結婚の神ヘラ。
  • 知略の神アテナを一人で生んだゼウスに対抗して、ヘラが一人で生み出したとの言い伝えもあり。
  • 妻は愛の神アフロディテ。

アテネについては次のとおりです。

  • 知略の神。
  • 父はゼウス。母は知恵の神メティス。
  • ゼウスの頭から成人の姿で甲冑を纏って生まれた。
  • 才色兼備で、ゼウスの寵愛を受けた。
  • アルテミス、ヘスティアとならび、「純潔を守る女神」。

アテナについて詳しくは、別の記事も御覧ください。

つまり、ヘパイストスとアテナは異母きょうだいということになります。

ヘパイストスとアテナの子どもができた経緯

アテナは先にも述べたとおり、純潔を守る女神なので、結婚もしなければ子どももいないはずでした。

しかし、ヘパイストスとアフロディテ夫妻の問題に巻き込まれる形でヘパイストスとアテナの子ども-エリクトニオス-は誕生します。

ヘパイストスとアフロディテの結婚は恋愛結婚ではありません。ヘパイストスが、母ヘラにアフロディテとの結婚を約束させたことで成立した結婚で、ヘパイストスも無理だろうと思って言ったことが思わず叶ってしまった、といった感じでしたし、アフロディテにとっては望まぬ結婚でした。

アフロディテは、ヘパイストスの容姿を嫌い、夫婦仲は冷めていました。さらにアフロディテは、見た目が美しい、軍神アレスを恋人にします。

それを知ったヘパイストスは、アフロディテとアレスを人前で恥をかかせて復讐しますが、寂しい気持ちは解消されません。

そんなとき、武具を作ってもらいに、アテナが一人、ヘパイストスの工房を訪ねてきます。妻に相手にされない寂しさから、ヘパイストスは美しいアテナを見て迫ります。それを拒否するアテナですが、ヘパイストスの体液がアテナの足にかかります。アテナはそれを近くにあった羊皮で拭って地面に捨てましたが、その大地からエリクトニオスが生まれたと言われています。

ヘパイストスとアテナの子、エリクトニオスとはどんな人物?

エリクトニオスは、大地から生まれたものの証として下半身が蛇だったも言われています。
望まぬ相手との子どもではありましたが、アテネはこの子を育てることにし、エリクトニオスを箱に入れ、「決して中を見てはならない」と厳命して、アテーナイ王ケクロプスの3人の娘に託しました。しかし、娘たちは好奇心に負けて箱を開けてしまい、中に入っていた子どもが下半身が蛇であるのを見てしまいます。アテナは、開けて見た娘たちを罰し、結局エリクトニオスは自分の神殿で育てます。後にエリクトニオスはアーテナイの王となります。
また、父であるヘパイストスについて鍛冶の技巧を学び、ギリシャ戦車を発明したとも言われています。

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