ギリシャ神話のペガサスとはどんな生き物?
ギリシャ神話に登場するペガサスとは次のとおりです。
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ペガサスの誕生についてのエピソード
最初にも書きましたように、ペガサスの母は神の一本一本が蛇で、その瞳を見たものを石化してしまう怪物メデューサです。また、父はオリュンポス12神の中でもゼウスに次ぐ力を持つと言われるポセイドンです。この二人はどのような関係で、さらに、ペガサスを生みだすことになったのでしょうか?
メデューサは最初から怪物ではなく、美しい女性でした。そんなメデューサとポセイドンは恋仲になります。二人はデートの場所としてアテネの神殿を使っていました。これを知ってアテネは激怒します。アテネは純潔を守る女神でもあるので、この2人の行為はアテネを侮辱する行動だったのでしょう。アテネは、メデューサの自慢の美しい髪を蛇にし、恐ろしい怪物にしてしまったのです。
もともと、神話上ポセイドンとアテナは仲が悪く描かれている場合が多いです。メデューサのこともポセイドンとアテネの不仲が影響しているかもしれません。ちなみにメデューサはペスセウスに討たれますが、この時ペルセウスに味方して武具を貸したのもアテネです。
メデューサの姿を変えたのは、ポセイドンの妻アンピトリテが2人に嫉妬したからだとする説もあります。
しかし姿を変えられた時すでに、メデューサはポセイドンとの子どもを身ごもっており、それがペルセウスに打たれたときに飛び出したのです。
どうして馬なのかということについては、ポセイドンが馬と縁が深く、馬は波の具象化であるとも言われています。また、ポセイドンの子孫は、一般的なひとの姿をしていない(巨人や半魚人など)、粗暴なキャラクターの場合が多いです。その中ではペガサスは神に伴って描かれたり、英雄を助けたりと、いいイメージをもっためずらしいタイプです。
ペガサスが登場するエピソード
コリントス王の子である、英雄ベレロポーンとのエピソードが有名です。
ベレロポーンはかなりの美男子で、かつ勇気も武術にも秀でていました。しかし、彼は競技の中であやまって親族の命を奪ってしまい、その罪をそそぐためにアルゴス王プロイトスのもとに身を寄せます。
そこで、美男子であったことが仇となり、プロイトスの妻アンティアに言い寄られ、それをはっきりと断ったためにプライドを傷つけられたアンティアが、夫に「ベレロポーンに乱暴されそうになった」と嘘を付き、プロイトスもそれを信じて、義父であるイオバテース王にベレロポーンを使者としてつかわし、こっそりと暗殺を依頼します。
イオバテース王は、その頃国をあらしていたキマイラ(口から火を噴き、前全身は獅子、後ろは大蛇、中程は山羊。テュポーンとエキドナの子という説もあり)退治をベレロポーンに命じます。
ベレロポーンは困りますが、彼には海神ポセイドンと知略の神アテネが後ろ盾についていました。ポセイドンはベレロポーンにペガサスを授けます。
あるいは、ペガサスがペイレーネーの泉に水を飲みに来たところを、アテネの授けたくつわをかませて捕まえたという説もあります。
このペガサスを御して、ベレロポーンはキマイラを無事退治します。その後もイオバテース王はソリュモイ人討伐、アマゾーンの女軍の討伐、はては直接的に暗殺団をつかわしますが、ベレロポーンはこれらをことごとく倒します。
これでようやくイオバテース王も、ベレロポーンのすごさがわかり、娘や娘婿らのいうことはまちがっていて、なにか事情があるのだろうと感じ、ベレロポーンを自分の娘と結婚させ、領土も与えて大切にします。
その後のベレロポーンは、3人の子どもを得ますが、それぞれ戦争や病気で失います。また、増長し、神々と自分を同等と考えて、ペガサスで天に登ろうとしたところを、ゼウスの怒りに触れて地に落とされてしまったと言われています。
ペガサスを伴って華やかな功績をもちながら、最期は悲しい物語となってしまいました。
ベレロポーンは地に落ちてしまいますが、ベガサスだけが天に登り、ペガサス座になったとも言われています。