星座にまつわるギリシャ神話(その1)

星座にまつわるギリシャ神話(その1)

今回は、星占いでおなじみの12星座の星座のうちの3つの神話について紹介したいと思います。

★星座「牡羊座(3/21-4/19生まれ)」のギリシャ神話

牡羊座は、ゼウスがあるきょうだいを救うためにつかわした金の羊がもとになっていると言われています。

ボイオティアの王、アマダスには息子プリクソスと娘ヘレがいました。アマダスは、プリクソスたちの母を捨て、イノという女性と再婚し、2人の子どもを得ます。イノにとって、プリクソスとヘレは目の上のたんこぶ。イノは、農作物の種に細工をして不作にし、それをとめるにはプリクソスをゼウスに生贄としてささげるべし」という嘘の神託が王に伝わるように謀ります。王はそれを信じてやむなく息子たちを生贄にしようとしたその時。イノの策略を知ったゼウスがヘルメスを遣わして空飛ぶ金の羊を届け、羊はきょうだいを乗せて空に舞い上がり、東に向かって逃げました。

逃走の途中で、ヘレは羊から落ちてしまいますが、プリクソスはコルキス(現在のグルジア西部)にたどり着き、セウスに感謝を込めて金の羊を生贄にし、羊の皮は「金羊皮」としてコルキスの王に贈ります。王はこれを国宝として一本の樫の木に吊るし、眠ることのない竜(テュポーンとエキドナ子ども)に守らせたと言われています(これが「りゅう座」のもと)。

★星座「牡牛座(4/20-5/20生まれ)」のギリシャ神話

牡牛座は、ゼウスがとある美しい女性に近づくために化けた姿がもとになっていると言われています。

フェニキア(現在のレバノン付近)の王の娘にエウロペという美しい女性がいました。全知全能の神ゼウスが点から彼女を見初めます。ゼウスは美しい白い牝牛に姿を変えてエウロペに近づきます。エウロペは美しい牝牛に惹かれて、従者が止めるのも聞かずに背に乗ります。その瞬間、牝牛は海に向かって猛然と走り始めます。フェニキアから遠く離れたある海岸にたどりついた時、牝牛はエウロペをおろし、正体をあらわして求愛します。

この時の牝牛を天の星に上げて牡牛座になり、この時たどり着いたのがエウロペの名前から「ヨーロッパ大陸」と呼ばれるようになったと言われています。

★星座「双子座(5/21-6/21生まれ)」のギリシャ神話

双子座は全知全能の神ゼウスとレダの間に生まれた双子「ディオスクーロイ(ゼウスの息子)」のカストールとポリュデウケースがもとになったと言われています。

ゼウスとレダの出会いは、レダを見初めたゼウスが白鳥に姿を変えて、鷹に襲われているふりをしてレダの懐に逃げ込みます。そのまま結ばれて、レダは卵を産みます。その卵から生まれたのがカストールとポリュデウケースです。

あるときカストールが戦で戦死します。本来神の血が入っていれば不死になるはずなのですが、カストールは、レダの夫テュンダレオスの血を引いており、不死ではなかったのです。カストールの死を嘆いたポリュデウケースは自死しようとしましたが、ポリュデウケースはゼウスの血を引いているため死ねません。

父ゼウスはポリュデウケースを天上に連れて行こうとしますが、カストールがいなければ不死になりたくないと拒否し、ゼウスはポリュデウケースの不死の力を半分カストールに分け与え、ふたりは1日おきに天上と人間界を行き来するようになりました。この双子の兄弟愛をたたえて、ゼウスが双子座をつくったと言われています。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする