ギリシャ神話のハデスとは

ギリシャ神話のハデスとは

ギリシャ神話のハデスとは次のとおりです。

  • 冥府の王
  • 普段冥界にいるため、オリュンポス12神には入っていない
  • 持ち物は、かぶると姿が見えなくなる「隠れ兜」アイドス・キュネエ二叉の槍バイデント
  • 父:クロノス(農耕の神)
  • 母:レア
  • きょうだい:ゼウス(全知全能の神)、ポセイドン(海の神)、ヘラ(結婚・貞節の神)、デメテル(豊穣の神)、ヘスティア(かまど・家庭の神)

ギリシャ神話のハデスが冥府の王となったのは、ティタノマキアののち、ゼウス、ポセイドン、ハデスで支配権をかけたくじ引き

ハデスの持ち物の一つ、アイドス・キュネエはティタノマキアでキュプロープスから贈られたものです。ハデスはアイドス・キュネエを使って姿を消し、クロノスのアダマスの鎌を奪ったことで戦況がゼウス側に傾きます
また、アイドス・キュネエはギガントマキアでヘルメスが、メデューサ退治でペルセウスが借用しています。

ギリシャ神話のハデスが治める冥府はこんな場所

冥界に行くには冥界を流れるステュクス川(三途の川)を渡らなければなりません。川の渡し守は老人カロンです。ステュクス川を渡るには賃金を渡さねばならず、古代ギリシャでは死者を弔う際には口などに小銭を入れたそうです。
ステュクス川の向こうには、3つの頭と竜の尾をもち、口から火を出すケルベロスがいます。死者が逃げ出したり侵入者を追い払う役目をしています。死者を裁くのはハデスの権限なのですが、忙しいので三人の裁判官(ミノス・ラダマンティス・アイアコス)が実務を担当しています。
冥府には、神々のお気に入りだったり、特に良いことをした人が行くエリュシュオンと、エリュシュオンに行くほどではないものが過ごす場所エレボス、冥府の果てにある、特に罪深いと判断されたものが幽閉されるタルタロスがあります。

 ギリシャ神話のハデスの結婚

冥界でほとんどを過ごしていたハデスですが、偶然地上でみたペルセフォネーに恋をします。

ペルセフォネーは全知全能の神ゼウスと豊穣の神デメテルの娘。ハデスはゼウスにペルセフォネーを嫁に欲しいと頼み、ゼウスはデメテルには聞かずに勝手に許可します。ハデスは大地を引き裂き、その裂け目からペルセフォネーを奪い、冥府に連れていきます。デメテルはその事実を知ってゼウスに抗議、神の仕事を辞めてしまったために地上は荒れていきます。ゼウスはこれを見かねてハデスにペルセフォネーをデメテルに返すように命じました。

ハデスは、ペルセフォネーを地上に返す前に一度でいいから自分と食事をしてほしいと頼みます。ペルセフォネーは冥府に降りてから何も口にしていませんでした。ずっと拒否してきたハデスを少し哀れに思ったペルセフォネーは、この食事の誘いに応じ、そこでザクロの実を3粒食べます。しかし、冥府の掟で冥府のものを食べた者は地上に出られないとなっていました。そこで、12か月のうち、ザクロを食べた3粒分-3か月だけは地下で過ごすことになりました。この3ヶ月間はデメテルが悲しみのために仕事をせず、植物が育たない季節(冬)になりました。

ギリシャ神話のハデスとペルセフォネーの神話は諸説あり、ペルセフォネーのためにハデスがいろいろな贈り物をしたり気遣って、最終的にはペルセフォネーもハデスを想うようになったというものもあります。絵画などでは、ハデスとともにペルセフォネーが「冥界の女王」として描かれているものもあります。

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