ギリシャ神話 12神とは
ギリシャ神話の12神とは、オリュンポス山に住む12の神のことです。オリュンポス山とは、ギリシャのテッサリア地方に実在する標高2917mのギリシャ最高峰の山です。12神は、全知全能の神であるゼウスを筆頭に12名の神がいます。
12神は、ゼウスが父であるクロノスを倒し、神々の王となったのちに定められました。
ゼウスの父である農耕の神クロノスは、自分の子どもに倒されるという予言を恐れて子どもたちを飲み込んでしまいます。しかし、母である大地の神レイアが機転を利かせて、唯一その難を逃れたゼウスが成長した後、クロノスを倒します。
大きく分けると、12神は、ゼウスの兄弟姉妹の神々の「第1世代」と、ゼウスの子どもに当たる「第2世代」の神々からなります。
ギリシャ神話 12神(第1世代)
12神の「第1世代」は、ゼウス、ヘラ、デメテル、ポセイドン、ヘスティアの5人です。
ゼウスは、全知全能の神です。クロノスとレイアの末子で、冥界の神ハデスと海の神ポセイドンの弟です。きょうだいで協力して父であるクロノスを倒した後、3人でそれぞれ大地(ゼウス)海(ポセイドン)冥界(ハデス)が支配することになりました。ゼウスの妻は姉のヘラです。しかし、ゼウスは女性好きで、いろいろな女神や人間との間に子どもがいます。
ヘラは、結婚、母性、貞節の女神です。ヘラは、いろいろな女性に目移りするゼウスに対して非常に嫉妬深い姿で描かれることが多いです。
デメテルは豊穣の女神です。デメテルはゼウスの姉ですが、ゼウスとの間にペルセフォネという娘がおり、この娘は後にハデスの后となります。
ポセイドンは海の神です。ポセイドンはゼウスの兄です。三叉の矛を持った姿でよく描かれています。この三叉の矛は、ウラノス(ゼウスの祖父に当たる天空の神)によって幽閉されていたキュクロープス(単眼の巨人)たちを解放した際に、お礼として渡されたもので、嵐や地震などを起こすことができる強力なものです。
ヘステティアはかまど、家庭生活の女神です。ヘスティアは、アテナ、アルテミスとともにギリシャ神話3大純潔を守る女神のひとりです。
ギリシャ神話 12神(第2世代)
12神の「第2世代」は、アルテミス、アポロン、アテナ、ヘパイストス、アレス、アプロディテ、ヘルメスの7名です。
アルテミスは、月と狩猟と純潔の女神です。アポロンと双子のきょうだいです。
アポロンは予言・芸術・音楽・医療の神、のちに太陽の神と言われます。アポロンは、毎朝東の宮殿で目覚めると、「カドリガ」(日輪の馬車)に乗って東から西へ黄道をたどって天空を駆け抜け、地平に没するとされ、これが日の出と日の入であると言われています。
アテナは知略と戦いの女神です。アテナは、母親であるメティスを飲み込んだ父ゼウスの頭から甲冑をまとった姿で生まれたと言われています。アレスも戦いの神ですが、アレスが暴力的な戦いの神であるのに対して、アテナは知恵を使って戦う「知略」の神とされています。
ヘパイストスは鍛冶の神です。ヘパイストスはヘラとゼウスの子どもですが、姿が醜いという理由でヘラに遠ざけられました。また、アテナがゼウスの頭から誕生する際に、ゼウスの頭を斧で叩き割ったのもヘパイストスです。
アレスは戦いの神です。アレスは乱暴者の姿で描かれることが多いです。アプロディテの恋人でもあります。
アプロディテは愛と美の女神です。アプロディテという名前よりも、英語でのヴィーナスという呼び名のほうが有名かもしれません。アレスとの間にエロス(恋の矢を持つキューピッド)をもうけます(エロスの出自には諸説あります)。
ヘルメスは、泥棒、商業の神です。ケーリュケイオンという、2匹の蛇が巻き付いた杖を持っています。