ギリシャ神話のポセイドンとは

ギリシャ神話のポセイドンとは次のとおりです。

オリンポス12神のうちの１柱。
海、地震、泉の神。
武器：トリアイナ（三叉の矛）
父：クロノス（農耕の神）
母：レア（大地の女神）
妻：アンフィトリテ（潮流の女神）
子ども：トリトン（イルカのしっぽに上半身は人間）、ロデー（太陽神ヘリオスの妻）、ベンテシキューメー（以上、アンフィトリテとの子）
オリオン（ミーノース王の娘エウリュアレーとの子。諸説あり）、
ペガサス、クリューサーオール（メデューサとの子。諸説あり）
アレイオーン（デメテルとの子。名馬）

ティタノマキアのあと、ゼウス、ポセイドン、ハデスの３柱でどこを支配するかくじ引きし、ポセイドンが海を支配すること　となりました。ポセイドンが怒ると、強大な地震を起こします。
ポセイドンは、ゼウスに負けず劣らず女性を追い回します。デメテルについては、娘ベルセフォネーを探して地上を放浪しているときに迫り、デメテルは馬に姿を変えて逃げましたが、ポセイドンも同じく馬に変身して追い、思いを遂げたと言われています。

ギリシャ神話のポセイドンの活躍

ポセイドンはゼウスに次ぐ強大な力の持ち主なのですが、あまりポセイドンを中心に語られる神話で有名なものはありません。神々の大きな２つの戦いでもポセイドンの活躍についてまとめました。

ティタノマキア

ゼウスの助けでクロノスの中から助け出されたのち、キュプロープスから贈られたトリアイナ（三叉の矛）で戦った。それ以後、このトリアイナがポセイドンの主要な武器となります。トリアイナで大地をつくと地震が起こり、他にも大波、津波、嵐を起こすこともできると言います。

ギガントマキア

ポセイドンは、ギガース（巨人）のひとりであるポリュボーテースと戦います。ポセイドンは、コス島の一部をけずりとり、ポリュボーテースを押さえつけます。それが後にドデカニサ諸島のニシロス島となったと言われています。島に封印されたポリュボーテースが重みに耐えられず唸って起こるのがニシロス島の火山活動だと言われています。この島には３-４kmのカルデラがあり、現在は噴火はしていませんが、火山は活動しています。

ギリシャ神話のポセイドンとアトランティス大陸の関係

世界のミステリー伝説によく登場する「アトランティス大陸」もポセイドンと関係があります。

この大陸については、最初、哲学者プラトンの「ティマイオス」と「クリティアス」で書かれています。
アトランティス大陸は、ヨーロッパ大陸とアフリカ大陸を隔てるジブラルタル海峡のすぐ外側の大西洋にあったと言われています。非常に豊かな資源を持った土地で、軍事力もあったので、その大陸にあった帝国は、大西洋を中心に地中海西部を含んだ領土を支配していました。この帝国の王族がポセイドンの末裔だったと言われているのです。アトランティスの大地から生まれた原住民エウエノルの娘クレイトがポセイドンとの間に５組の双子を産み、この１０人の子どもがアトランティス帝国の10の領地を治めていました。しかしアトランティス王家は、人間と子孫を作っていくに連れて神性を失って堕落し、物質主義に走って領土を増やすことばかりに集中していったために領土は荒れていきました。それを見たゼウスが天罰を下そう決め、大地震と洪水が起こり、一昼夜のうちにアトランティス大陸は海に沈んでしまったのだと言います。
プラトンは強大な大国の傲慢さを揶揄した物語として引用したのだと思われます。それがいつしか今も海の中に豊かな資源とともに眠る謎の大陸としてオカルト的に語られるようになっていったのです。