ギリシャ神話のアドニスとは?

ギリシャ神話のアドニスは、女神2人をトリコにするほどの美少年

ギリシャ神話のアドニスは次のとおりです。

  • フェニキアの王女ミュラとその父キニュラース王との子ども
  • ミュラが、没薬の木に変わった後も、木の中で生き続けた
  • 木からアドニスが生まれた時、あまりの美しさにアフロディテが、成長したら自分の愛人にしようと、アドニスを箱に入れて冥府の女王ペルセポネーに預けた

しかし、好奇心にかられてペルセポネーは箱の中を見てしまいます。箱の中の美しいアドニスを見て、ペルセポネーもすっかりアドニスに夢中になってしましました。アフロディテとペルセポネーでアドニスを取り合いする様子を見て、全能神ゼウスが審判に入ります。

ゼウスは、1年のうち3分の1はアフロディテと、次の3分の1をペルセポネーと過ごすように、残りの3分の1は自由に過ごしていいということに決めました。アドニスは、自由な3分の1の時間もアフロディテをともに過ごすことが多く、それがペルセポネーにとっては面白くありません。ペルセポネーは、アフロディテの恋人である軍神アレスに告げ口します。このことが後に、アドニスの悲しい運命を決定してしまうのでした。

アドニスの最期~アドニスが変わったのはアネモネ?福寿草?~

アドニスは狩りがとても好きな青年でした。そんなある日、いつものように森で狩りをしていると、大きなイノシシがアドニスの前に現れ、アドニスはそのイノシシに襲われ、命を落とします。実はそのイノシシは、ペルセポネーにアフロディテとアドニスのことを聞いて嫉妬したアレスの変身した姿だったのです。変わり果てたアドニスの姿を見て、アフロディテは嘆き悲しみます。その時、アドニスの血が大地に滴り、そこから真っ赤なアドニスの花が咲きました。この花は神話のアドニスのように、風が吹いただけで散ってしまうほど、はかない花でした。

日本では、この花は「アネモネ(学名Anemone coronaria)」だとされています。しかし、これはギリシャ神話が日本語に翻訳された際に、アネモネだと訳されたようで、学名「Adonis(アドニス)」を持つのは、「福寿草」です。

福寿草といえば、春の訪れを告げる、地面近くに黄色い小さな花を群生して咲かせるイメージ。アドニスの神話とは合いません(希少な福寿草として、オレンジ色の福寿草はあるようです)。確かに、アドニスの神話には、血のように鮮やかな赤色のはかなげな花を咲かせて風に揺れるアネモネのほうがイメージにあっているように感じます。

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