ギリシャ神話のヘスティアとは?

ギリシャ神話のヘスティアとは?

ギリシャ神話のヘスティアとは、次のとおりです。

  • 炉・竈(かまど)の女神。
  • 父:クロノス(農耕の神)、母:レアーの長女→のちに末っ子に。
  • アルテミス、アテネと並んで、3大「純潔を貫く女神」。

天を支配していた神クロノスは、自分の子どもに倒されるとの予言を聞いて、レアーとの間に生まれた子どもを次から次へと飲み込んでいきます。ヘスティアが長女だったので、真っ先に飲み込まれたことになります。
その後、ゼウスがきょうだいたちをクロノスの腹から飲み込まれた順とは逆に助け出した時、兄弟の順が逆になったと言われています。
つまり、末っ子だったゼウスが長男となり、長女のヘスティアが末っ子に逆転したのです。

純潔を貫く女神、ヘスティア

女神ヘスティアには、夫や子どもはいません。
月の女神アルテミスや知略の神アテネと並び、3大「純潔を守る女神」なのです。
なので、この3人だけは誰もを愛の力で骨抜きにしてしまう、愛の女神アフロディテの力が効きません。

ある時、ヘスティアはポセイドンとアポロンから求愛を受けますが、断り、さらにゼウスの頭に触れ、純潔の誓いを立てました。これに対してゼウスは、ヘスティアに結婚の喜びの代わりに、彼女は家、氏族、都市国家などで中心に据えられ、お供えものを一番最初に得られるという権利を与えました。その権威を表すものとして、主要な役人や元老たちが集まるプリュタネイオン(公会堂)の炉辺は、ヘスティアを祭っていました。
このようにヘスティアの信仰は、宗教的国家的なものだったので、ヘスティア自身があまり神話に登場しません。宗教的な敬虔が疑われ、国際的に個人主義が幅をきかせるようになると、ヘスティアの影は薄くなって行きました。

ヘスティアはオリュンポス12神に入る?入らない?

ヘスティアは、ゼウスやポセイドンたちときょうだいであり、クロノスによって飲み込まれることがなければ、長女でした。そんな彼女ですが、ゼウスが長である「オリュンポス12神」の中に含まれない場合もあります。

その理由には2つの説があります。

一つは、彼女はそれぞれの家などの炉の女神であり、その場から離れられないため、オリュンポスにいられないから外れているという説です。他の12神はそれぞれオリュンポス山に住んでいます。

もう一つの説は、甥である、豊穣の神デュオニュソスが12神に入れないことを嘆いていたため、ヘスティアがその座を譲ったというものです。ゼウスによって権威を与えられていながらも、非常に控えめな女神であるというエピソードです。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする