ギリシャ神話のヘラクレスとは
ギリシャ神話のヘラクレスとは次のとおりです。
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ゼウスは、ギガントマギアに備えて、神々を助けてくれる人間の英雄を産ませようと、人間の女性を探していました。そこでゼウスが選んだのがアルクメネでした。しかし彼女にはアンピトリュオンという許嫁がおり、ゼウスのアプローチを拒否していました。そこでゼウスは、アンピトリュオンが遠征にでかけたところに、彼の姿に変身して訪れ、思いを遂げてしまいました。そのときにできたのが、ヘラクレスとアンピトリュオンの子、イピクレスでした。
ギリシャ神話のヘラクレスの12の功業とは?
ゼウスの妻、ヘラは浮気をされた怒りから、ヘラクレスに対して復讐をしていきます。
はじめ、乳児のときに二匹の毒蛇を送りました。しかしその毒蛇はヘラクレスが素手で握り殺してしまいます。
次に最大の復讐が行われたのは、ヘラクレスが成人し、子供ができたからでした。ヘラはヘラクレスの正気を奪い、ヘラクレスが自分の子とイピクレスの子を敵だと思い、火の中にほうりこんでしまいます。正気に戻ったヘラクレスは、贖罪の旅にでます。デルポイの神託所で「ティリュンス王エウリュステウスに仕えて、彼の命じたことをすべて成し遂げる」よう言われました。
これが「12の功業」です。
12の功業の内容
- ネメアのライオン退治
- レルナのヒュドラ退治→功業と認められず
- ケリュネイアの鹿捕獲
- エリュマントスの猪捕獲
- アウゲイアスの家畜小屋掃除→功業と認められず
- ステュンパリデスの鳥退治
- クレタの牝牛捕獲
- ディオメデスの馬捕獲
- ヒュッポリュテの帯獲得
- ゲリュオンの牛連行
- ヘスペリデスの黄金の林檎獲得
- 冥界の番犬ケルベロス連行
ギリシャ神話のヘラクレスの最期
ヘラクレスは、12の功業を終え、冥界で知り合った英雄メレアグロスの妹ディアネイラと結婚、息子を得ました。しかし、義父の親戚を誤ってヘラクレスが殺してしまい、一家はトラキアに旅立つことになります。
その旅の途中で川を渡る際、第4の功業でのケンタウロスの生き残り、ネッソスが川を渡してあげようと申し出ました。ネッソスがディアネイラを渡そうとしたとき、彼女に襲いかかります。ヘラクレスは矢でネッソスを射ましたが、その時ネッソスがディアネイラにささやきます。「もしヘラクレスの愛を失いそうな時、自分の血が媚薬になるだろう」と。ディアネイラは密かに血を取っておきます。しかしこれは「媚薬」ではなく、「猛毒」だったのです。
ヘラクレスがその後、オイカリアに攻め入り王の娘イオレを捕虜とした時、ディアネイラはイオレに夫を奪われるのではないかと思い、ヘラクレスの服にネッソスの血を塗って渡しました。ヘラクレスがそれを着ていると、ネッソスの血の毒がヘラクレスの皮膚を焼けただれさせ、毒は全身に回ってしまいました。このまま自分は命を落とすと感じたヘラクレスは薪を組ませ、そこに横たわり、火をつけさせました。しかしその時、ゼウスが彼を天上界に連れていきました。天上界でヘラクレスは神となり、青春の神へべと結婚し、二人の子どももできました。
英雄として有名なヘラクレスですが、その人生は運命に翻弄され、苦難の多いものだったのです。