ピグマリオン(ピギュマリオン)とは

ピグマリオン(ピギュマリオン)とは

今回は心理学用語である「ピグマリオン効果」の元ネタであるピグマリオンについての神話を紹介します。
ピグマリオンについては次のとおりです。

  • キプロス(トルコの南の東地中海の島)の彫刻家
  • 愛の女神アフロディテをモデルにし美しい乙女像を製作、その像に恋してしまう

乙女像に心を奪われてしまったピグマリオンは寝食も忘れ、彼女にのめり込んでいきます。ついにはその像と結婚したと思うようになり、アフロディテに祈ります。もともと、乙女像はアフロディテをモデルにしていたものでした。

(キプロス島はアフロディテが海の泡から生まれ、最初に降り立った場所としてゆかりがあります)

アフロディテは像の出来栄えが非常に良いことに気分を良くし、ピグマリオンの願いを叶えました。

ピグマリオンは、冷たい乙女像に毎日キスをしていましたが、ある日、その唇が温かい、血の通ったやわらかい唇に変わっていきました。冷たい彫像だった乙女が生身の女性になったのです。ピグマリオンは非常に喜び、また乙女像も自分を創った彫刻家に恋をします。彼女はガラティアと名付けられ、2人は結婚しました。2人の間には娘も生まれ、名はパポスで、この名はキプロス島西岸の町の名前になっています。

ピグマリン効果とは

心理学の用語で、ピグマリオン効果(教師期待効果、ローゼンタール効果)という言葉があります。これはピグマリオンの神話にちなんでつけられたもので、たくさん褒められて育つと褒められた本人もやがて期待されたようになるというものです。彫像が生身の女性に変わったように、とてもかなわないような期待も期待し続けて相手にポジティブなフィードバックをし続けると、そのとおりになっていくというものです。

これには期待する側が、期待故に熱心に関わることや、期待される側もいくばくか期待されていることを感じて、その期待に答えようと頑張ることが影響しているのではないかという実験結果が出ています。

また、逆ピグマリオン効果と言える用語もあります。それがゴーレム効果です。これは、相手ができないと思うと、実際その人はできないひとになってしまうというものです。
ここでいうゴーレムとは、ユダヤの伝説に登場するもので、自ら意思を持たず主人の言うままに動く泥人形のことです。

それぞれ心理学の中でも、特に教育心理学や教育学で使用される用語です。教育者側の心持ち次第で、生徒の能力が変わりうるのだということを表しています。

このようにギリシャ神話が今もわたしたちの心理を説明するのにわかりやすい比喩を与えてくれているのです。

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