ギリシャ神話のヘラとは

ギリシャ神話のヘラとは?

ギリシャ神話のヘラとは次のとおりです。

  • 全知全能の神、ゼウスの妻で神々の女王。
  • 結婚・母性・貞節の女神
  • 父:クロノス(農耕の神)
  • 母:レア
  • 子ども:アレス(戦いの神)、ヘパイストス(鍛冶の神)、エイレイテュイア(出産の神)、へべ(青春の神)

ゼウスは夫であるが、きょうだいでもあります。ヘラがゼウスと結婚する前、ゼウスにはティティスという妻がいました。しかしヘラと恋人になるならば、離婚し自分と結婚することを条件として、ゼウスはそれを受け入れました。現在でいう略奪婚だったのです。

ヘラの神話は、その多くがゼウスの浮気に対する怒り、報復に関するものです。ゼウスの浮気がわかったときは、ゼウスを罰するのではなく、相手の女性や子どもを罰するのがパターンです。

ギリシャ神話のヘラの嫉妬

ヘラはゼウスの浮気を感知すると、相手や相手の子どもに対して厳しい報復をします。
有名なエピソードは次のとおりです。

  • セメレー→ヘラ自身がセメレーの乳母に化け、セメレーの相手が本当にゼウスなのかを確認したほうがいい、一度本来の姿で来るように言うようにそそのかし、神の姿できたゼウスの雷光に耐えきれずセメレーは命を落としてしまった。

  • カリスト→ゼウスの子どもを身ごもったことに怒り、熊に変えてしまう。その後成長した息子が狩りに出た際ばったり出会い、母と気づかず息子に射られそうになる。

  • イーオー→ヘラにイーオーとの浮気がバレた際にゼウスはイーオーを白い牝牛に変え、牛と戯れていただけだと説明した。ヘラはゼウスにその牛をもらい、目が100ある巨人アルゴスに見張らせた。ゼウスはヘルメスに白い牡牛を盗むよう命じ、ヘルメスはアルゴスを倒し、牝牛を盗み出した。アルゴスを不憫に思ったヘラは自分のお気に入りの動物である孔雀の尾羽根にアルゴスの目を飾った。

ギリシャ神話のヘラとゼウスはなぜ離婚しないのか?

ギリシャ神話のヘラはゼウスが浮気をするたびに、その相手や子どもにひどい報復をし、またゼウスを責めます。ゼウスは自分の恋人や子どもにあれだけひどいことをされてなお、なぜヘラと一緒にいるのでしょうか?

実は、ヘラにはゼウスの心を取り戻す必殺技があるのです。

それは、毎年春にナウプリアのカナートスの泉で沐浴することによって、嫉妬といったストレスや年齢など負のものを洗い流し、若々しい姿に戻るのです。この姿に、ゼウスは再びヘラに夢中になってしまいます。見た目のリセットだけでなく、負の感情を溜め込まずにリセットすることが、愛情を維持していくためには大切だという神話からのメッセージなのかもしれないですね。

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