ギリシャ神話のアテナとは?
ギリシャ神話、アテナについては次のとおりです。
・オリュンポス12神の1柱 ・知恵、芸術、工芸、知略の神 ・父:ゼウス(全知全能の神) ・母:メティス(思慮の女神) ・息子:エリクトニオス(ヘパイストスとの子、アーテナイ王) |
ギリシャ神話のアテナの誕生は、とても独特です。父は全知全能の神ゼウス、母は思慮の女神メティスであることは上記のとおりです。しかし、大地の女神ガイアと天空の神ウラーノスの予言で、「メティスとの間にできる娘は知恵と勇気を持つ娘が生まれるだろう。しかし息子は傲慢で、ゼウスの地位を奪うだろう」と言われます。
ゼウスの王権以前の代は、子どもに討たれて王が変わっています。また、ゼウス自身も、父を倒して王になっていました。そのため、ゼウスは、この予言を非常に恐れました。そして、メティスが妊娠した際、ゼウスは、妊娠したメティスごと飲み込んでしまいます。
しかし、ゼウスの子どもは、飲み込まれてもなお、ゼウスの体内で成長を続けます。ある時ゼウスは非常に強い頭痛に襲われます。ゼウスはたまらず、プロメテウス(鍛冶の神ヘパイストスという説もある)に斧で頭を割ってくれと頼みます。ゼウスの頭を割ってみると、そこから、美しく成長し、甲冑を着た姿でアテナが誕生したのです。
ギリシャ神話、アテナは英雄にやさしい
ギリシャ神話のアテナは、よく英雄を応援する立場として登場します。
ペスセウスが、蛇の髪をを持ちその目を見たものを石に変えてしまうというメドューサを退治に行く時は、ペルセウスに、表面が鏡になっている盾を与えます。ペスセウスは、その盾のおかげてメドューサを逆に石化させて倒すことができました。
ヘラクレスが12の功業の中の一つ、ステュムパーリデスの怪鳥を退治する際には、鍛冶の神ヘパイストスの作った金属の鳴子を与えます。ステュムパーリデスの怪鳥は、人を襲ったり、猛毒のフンをしたりして、人々を苦しめていました。ヘラクレスは、金属の鳴子で怪鳥を驚かせて飛び立たせたところを、同じく12の功業の一つで退治したヒュドラの毒を塗った矢で、一匹一匹撃ち落としていきました。
他にも、ベレロポーンに、キマイラ退治のために必要だったペガサスの調教できる道具を与えるなど、難題に立ち向かおうとする英雄に、知恵を授ける役目として度々登場します。アテナが、知略の女神であるゆえの役割だと考えられます。
ギリシャ神話、アテナと都市アテネ
「ギリシャ神話の女神アテナ」と「都市のアテネ」、名前が似ていますがどのような関係なのでしょうか。
アテネは現在の都市名ですが、古代は「アテナイ」という名の都市でした。
都市「アテナイ」の守護を巡って、アテネと海の神ポセイドンが争います。そこで、この地の住民にとって益になるものを送ったほうが、この土地の守護神となることになりました。
ポセイドンは丘に三叉の矛を立て、塩水の泉をわかせました。一方、アテナは、オリーブの木を与えました。
オリーブはその実でもって、医薬品、食用油、明かりを灯すための油を作り出すことができたことから、人々は喜び、アテナをアテナイの守護神に選びました。力ではなく、知恵で勝ち取った勝利、これもさすが知略の女神らしい神話です。