ギリシャ神話のガイアとは
ギリシャ神話のガイアの属性は次のとおりです。
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ギリシャ神話のガイアの誕生-世界のはじまり
神々が生まれる前は、宇宙には何もない混沌(カオス)の状態でした。そこにガイアが生まれました。ガイアは原初神の1柱であり、他にはタルタロス(奈落)、エロース(愛の神)がいます。
ガイアは自分だけの力で、ウラノス(天の神)、ポントス(海洋の神)、を生みました。そこで、エロースの導きで、ガイア(大地)はウラノス(天)を夫とし、自分の身をウラノスにおおわせました。この2人の合体によって、地上に木、花、鳥、獣、海、湖ができました。また、ヘカトンケイル、キュクロープス、ティターン12神が生まれました。
ガイアはウラノスとつながることで物質的な世界を生み出し、かつ、男女が対になって子孫を増やしていくという、人間を含めた生物の営みを生み出し、二重の意味で「母なる神」だと言えます。
ギリシャ神話のガイアの怒りと悲しみ-神々の覇権争い
しかし、ウラノスはヘカトンケイル、キュプロスのことを醜いという理由でタルタロスに閉じ込めてしまいます。ウラノスによって我が子を閉じ込められてしまったガイアは嘆き悲しみ、ティターン12神の子どもたちに父を討つよう望みます。それに答えたのが末子のクロノスでした。クロノスはウラノスを倒し、父に代わって天地を支配することになります。
しかし、クロノスも父同様、「子どもに権力を奪われるだろう」という予言を受けており、それを恐れて妻のレアとの間に子どもができるたびに、子どもを丸呑みしてしまっていました。また、ウラノスによってとじこめられていた巨人たちの処遇を変えず、タルタロスに閉じ込めたままでした。クロノスの子どもへの行為と巨人たちの処遇の変わらなさに怒ったガイアは、レアに入れ知恵して、ゼウスはクレタ島で隠れて育てられます。成長したゼウスは父に飲み込まれたきょうだいを救い出し、戦いを挑みます。このオリュンポスの神々とクロノスのティターン族たちとの戦いをティタノマキアといいます。
ティタノマキアは、10年経っても決着がつかなかったために、ガイアはゼウスにヘカトンケイルとキュクロプスを味方にすれば勝てると助言、それで戦況は一変、戦いは終わり、ゼウスはティターンをタルタロスに閉じ込めます。
ティターンはガイアの子どもたちでもあります。ガイアは今度はこのことに腹を立て、密かに育てていたギガース(巨人)たちにオリュンポスを襲わせます。このギガースとゼウスたちオリュンポス12神との戦いがギガントマキアです。
ギガースには人間の力を借りないと勝てないとガイアは予言していました。ゼウスは人間のアルクメーネとの間にヘラクレスをもうけ、神々とヘラクレスの活躍でオリュンポス側が勝利します。
ガイアはさらにギリシャ神話上最大最強の怪物、テュポーンを産み、ゼウスらをおそわせます。激しい戦いの後、ゼウスが勝利し、テュポーンはタルタロスに送られます。
いずれの戦いも、ガイアが子どもたちの不遇さを悲しみ、怒ることが発端となって始まっています。母なる大地の神らしい行動だと思います。また、ガイアの特徴として、予言や助言で戦いに強い影響を与えますが、戦いには直接的に入らない、フィクサー的な立場が多いと言えます。