ギリシャ神話のイアソンとは?

ギリシャ神話のイアソンとは?

イアソンとは、ギリシャ神話に登場する有名な英雄のうちの一人です。
とある事情で賢者ケイローンに育てられたイアソンは、イオルコスの王位を奪還するため、仲間を募って旅にでます。

この物語は、登場人物やエピソードも多いので、今回はそれらをできるだけわかりやすく、簡潔に10センテンスにまとめたいと思います。

1.イアソンの父、アイソンはイオルコスの王位を追われ、息子のイアソンは賢者ケイローンに預ける。

2.成長したイアソンは、王位の奪還を求めて旅立つ。

3.途中、氾濫した河の前で渡れずに困っている老婆をおぶって河を渡る。その時、サンダルを片方落としてしまう

4.実はこの老婆は女神ヘラ。イアソンの誠実さを試していた。ヘラはこの後イアソンを加護する。

5.片方だけサンダルを履いて現れたイアソンを見て、現イオルコス王ペリアスは、以前片方だけサンダルを履いた男に滅ぼされると神託を受けていたために恐れ、不可能だと思われるミッション「コルキスの金羊毛皮を持ってくること」を王位返還の条件とする。

6.イアソンは難題をこなすための仲間(アルゴナウタイ、アルゴノーツ)を集める。名だたる勇者50名ほど(詳しくは後述)が集まる。

7.コルキスにたどり着き、イアソンがコルキス王アイエテスに羊毛皮を求めると、アイエテスは「炎の息を吐き青銅の蹄をした「コルキスの雄牛」をつないで畑を耕し、竜の牙を蒔いて生まれた兵士を皆倒す」という難題を出す。

8.ヘラのはからいで、イアソンに恋した王女メディアが、得意の魔術で炎も武器も退ける薬を作り、イアソンに加勢、難問をクリアする。

9.さらにメディアの作った薬で羊皮を守る竜を眠らせ、金羊毛皮を手に入れる

10.コルキス軍の追撃、嵐などにも見舞われるが、仲間とともにそれらを乗り越え、故国に戻り、王位を奪還する。

詳しくは、旅の途中で、アルゴノーツの力を借りながら困難を乗り越えたり、メディアとの恋やメディアが祖国を裏切りイアソンについていくくだり、その後のメディアとイアソンとの別れ、などドラマティックな場面が多い神話です。面白いと思ったら、ぜひ実際の物語も読んでみてください。

それぞれ細かいエピソードについては、今後少しずつ記事にしていきたいと思います。

アルゴー号ゆかりの者一覧

伝説によって人数は異なりますが、約50名がアルゴー号に乗り込む「アルゴナウタイ」「アルゴノーツ」として集結したと言われています。その中には他の神話に主役として登場するほどの大物も含まれています。代表的な人物をまとめました。

(名前50音順)

名前 説明
アイタリデス 半神半人 ヘルメスの子ども
アカストス 人間 イオルコス王ペリアスの息子
アスクレピオス 半神半人 アポロンの息子。医術の父
アタランテ 人間 カリュドンの猪狩りの英雄。俊足の女性狩人
アドメトス 人間 イアソンのいとこ
アドラストス 人間 ペイリトオスの義父
アムプアラオス 人間 預言者
アルゴス 人間 アルゴ号の建造者
イダス 人間 メッセネ人の双子の戦士
イドモン 半神半人 アポロンの息子
エウペモス 半神半人 ポセイドンの息子
エウリュトス 半神半人 ヘルメスの双子の子ども
エキオン 半神半人 ヘルメスの双子の子ども
オルペウス 半神半人 アポロン一族で竪琴の名手
カストル 半神半人 ゼウスとレダの双子の息子。のちに双子座となる
カライス 半神半人 北風の神ボレアスの息子
ゼテス 半神半人 北風の神ボレアスの息子
ティピュス 人間 ボイオティア人の舵手
テセウス 人間? アテナイの英雄。海神ポセイドンの息子ともいわれる
テラモン 人間 ペレウスの兄弟
ナウプリオス 半神半人 ポセイドンの息子
ヒュラス 人間 ヘラクレスお気に入りの美少年
ピラモン 半神半人 アポロンの息子で音楽家
ペイリトオス 人間? テセウスの親友。全能神ゼウスの息子ともいわれる
ヘラクレス 半神半人 ゼウスの息子。12の功業が有名
ペリクリュメノス 半神半人 ポセイドンの息子(孫とも)
ペレウス 人間 アキレウスの父親
ポリュデウケス 半神半人 ゼウスとレダの双子の息子。のちに双子座となる
メレアグロス 人間? カリュドンの猪狩りの英雄。実の父はアレスともいわれる
モプソス 半神半人 預言者。アポロンの弟子
リュンケウス 人間 メッセネ人の双子の戦士

このように、メンバーの半数以上が半神半人であることから、「英雄の時代」が神々と人間の交流が普通に行われていたことがわかります。若干属性が偏っている感と双子率が高いのと、男性ばかりの中にアタランテは女性一人で大丈夫か・・・など気になりますが・・・またそれぞれのメンバーが活躍する神話も紹介していきたいと思います。

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