ギリシャ神話のゼウスとは

ギリシャ神話のゼウスとは

ギリシャ神話のゼウスとは次のとおりです。

  • 全知全能の神
  • ゼウスの持ち物:雷霆(ケラウノス)、アマダスの鎌(元クロノスのもの、「何者にも征服されない」という名を持つ万物を切る鎌)、アイギスの肩当て(あらゆる邪悪・災厄を払う。鍛冶の神へスパイトスが制作)
  • 父クロノスを討って3代目の神々の王になった。
  • 父:クロノス(神々の王、農耕の神)
  • 母:レアー(大地の神)
  • きょうだい:ハデス(冥府の王)、ポセイドン(海の神)、デメテル(豊穣の神)、ヘスティア(かまど・家庭の神)

ギリシャ神話のゼウスの誕生は苦難から始まりました。父クロノスは「子どもに覇権を奪われる」との予言を受け、生まれる子どもを次々に飲み込んでいました。ゼウスだけは、母と祖母であるガイアの機転でクレタ島に身を隠し、育てられます。成長したゼウスは父に飲まれたきょうだいたちを父に吐き出させ、団結して父の一族と戦います。さらにタルタロスに幽閉されていたキュクロプス(単眼巨人)やヘカトンケイル(百腕巨人)らの力を借りて、クロノスを倒し、神々の王となったのです。

ギリシャ神話のゼウスと女性たちの物語

ギリシャ神話のゼウスの神話として、様々な女神や人間の女性との恋愛の神話が多くあります。
ギリシャ神話のゼウスはバツ2で、最終的に3度めの結婚でヘラ(結婚・貞節の女神)と結婚しています。

  • 初の結婚:メティス(思慮の神)     →子:アテナ(知略の神)
  • 2番めの結婚:テミス(掟の神)    →子:モイライ(運命の三女神)、ホーラ(季節の女神)、アストライアー(正義の女神)
  • 3番目の結婚:ヘラ(結婚・貞節の神) →子:アレス(戦いの神)、ヘパイストス(鍛冶の神)、へべ(青春の神)

ゼウスと女性たちのいずれの神話でも、ゼウスは女性に近づくために様々な動物に姿を変え近づきます。
ギリシャ神話のゼウスの、女性を口説くための変身歴は次のとおりです。

  • ヘラ(結婚・貞節の神):かっこう
  • レダ(人間。アイトーリア王テスティオスの娘):白鳥              →子:クリュタイムネストラとヘレネ
  • エウロペ(人間。テュロスのフェニキア王アゲーノールとテーレパッサの娘):牛  →子:ミノス王
  • カリスト(ニュンペー。アルカディア王リュカーオーンの娘):アルテミス     →子:アルカス(アルカディア王)
  • ダナエ:黄金の雨                               →子:ペルセウス

ギリシャ神話のゼウスの活躍の物語

ギリシャ神話のゼウスの神話というと、好色な面が強調された神話が多いですが、ゼウスが神々の王として素晴らしい活躍をした神話ももちろんあります。

ティタノマキア(ティターン神族との戦い)

自らを飲み込もうとした父から逃れ、密かにクレタ島で成長していくゼウス。成長した後、父を討つ覚悟を決めます。そして父の中から、思慮の神ティティス(後の妻)の作戦で父に嘔吐剤を飲ませ、きょうだいたちを助け出し、ともに戦います。ガイアの子どもたちであるキュクロプス(単眼巨人)やヘカトンケイル(百腕巨人)を解放し味方にします。この時、キュクロプスから雷霆をもらいます。

テュポーンとの戦い

ティタノマキアの後、ゼウスの統治が始まリましたが、ガイア(大地の神)は自分の子であるギガース(巨人)たちがタルタロスに閉じ込められていることが許せず、最悪最強の化物「テュポーン」を生みだします。

テュポーンは、頭が星々とぶつかってしまうほどの巨体で、両腕を伸ばせば東西の世界の果てにも届きました。また、不老不死で、肩からは百の蛇の頭が生え、炎を放つ目を持ち、腿から上は人間と同じですが、腿から下は巨大な毒蛇がとぐろを巻いていました。

オリュンポスの神々はそれぞれ動物に化けて逃げ回ります。ゼウスただひとりがその場にふみとどまり、テュポーンと一騎打ちとなります。追い込み追い込まれの戦いの末、テュポーンはゼウスにエトナ火山を叩きつけられその下に封印されました。それ以来、テュポーンがもがくたびにエトナ山は噴火が起こるといいます。

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