ギリシャ神話のナルキッソスとエコーとは

ギリシャ神話のエコーとは

ギリシャ神話のエコーについては次のとおりです。

  • 森のニンフ(妖精)
  • ギリシャ語で「木霊」の意味
  • おしゃべりが大好き

エコーが住む森に、しばしば全能神ゼウスが恋人のニンフに会いに来ていました。ゼウスの裏切りを察した女神ヘラが森にやってきたとき、エコーはヘラに話しかけ、おしゃべりで時間稼ぎをして、その間にゼウスとニンフは逃げることができたのでした。

それに怒ったヘラは、エコーが自分から話すことを封じてしまいます。自分からは話せないのですが、誰かに話しかけられたら、相手の言葉の最後の部分だけを繰り返すことだけは許されました。

そんなエコーがあるとき、絶世の美少年ナルキッソスに恋をします。

ギリシャ神話のナルキッソスとは

ギリシャ神話のナルキッソスについては、次のとおりです。

  • 父:ケーピーソス川(アーテナイの北側を流れる川)の河の神
  • 母:水の女神(ニンフ)リリオーペ(ヤブランの属名でもある)
  • 絶世の美少年
  • 生まれたとき、予言者テイレシアース「己を知らないままでいれば長生きできるだろう」と予言される

ナルキッソスは、その美しさで男女、人間、ニンフ問わず多くの人に求愛されましたが、誰にも振り向きませんでした。

エコーも相手にされなかった1人でした。いくら近づこうとしても、エコーはナルキッソスが話す語尾を繰り返すだけ。ナルキッソスは冷たく離れていきました。エコーは伝えられない辛さから、森の奥に身を隠し、しまいには肉体が消え、声だけの存在になってしまいました。

ナルキッソスにフラれた中のひとりが、彼を恨んで復讐の女神ネメシスに「ナルキッソスに、いくら恋をしてもかなわない恋をお与えください」と祈ります。復讐の神ネメシスは、ひとを愛をことごとく袖にするナルキッソスに気持ちが伝わらない辛さを与えるため、「自分しか愛せない」という呪いをかけました。

そうとは知らず、ナルキッソスはでかけた先の森の泉で恋に落ちます。恋の相手は、水面に映る自分自身の姿でした。やっと出会えた愛するひとに、ナルキッソスはなんとか近づこうとしますが、水面に映る相手に触れることは到底できません。彼に見惚れたり、はなしかけたり、近づけないことを嘆いたり…ナルキッソスは泉から離れることができず、どんどんやつれきっていいきます。

最後の最後に、やっと自分の恋の相手が自分自身だと気づきます。しかし想いが変わることはなく、「むなしい恋の相手だった少年よ、さようなら!」と言い残して、果てます。予言者テイレシアースの言う通り、自分を見てしまったために自分を愛してしまい、やがて身を滅ぼしてしまったのです。

それを見ていたエコーがナルキッソスの最期の言葉「むなしい恋の相手だった少年よ、さようなら!」を繰り返します。最後の最後で、エコーはナルキッソスに自分の思いを伝える言葉をいうことができました

ナルキッソスが果てた後、彼のいた場所には水面に向かって、白と黄色の花びらの花ー水仙(Narcissus)が咲いていました。
ちなみに、冥界に行ったナルキッソスは、冥界の川に映る自分を見続けていたといわれています。本人は特に懲りていなかったようですね・・・

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